大使よりご挨拶

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坂田大使

 2011年10月10日にウクライナ駐箚日本国特命全権大使としてキエフに着任しました。ウクライナは今年8月に独立20周年を迎えられ、心からお祝いを申し上げます。また、2012年1月には、ウクライナと日本の外交関係樹立20周年という節目を迎えます。このような重要な時期に赴任できたことを大変光栄に思います。

 キエフの秋は黄葉が美しく、教会の黄金ドームが荘厳な趣を添えています。週末には早速 二つの世界遺産、ソフィア大聖堂とペチェールスカ大修道院を見学しました。どちらも11世紀半ばの創建で、この国の文化的、宗教的な積み重ねと重みを感じます。一方でキエフでは、日本車を含む外国車が溢れ、欧米資本の高級ホテルが増え、中心街には日本にもなじみの有名ブランドショップが出店し、若い女性のファッションも西側と変わりなく、国全体がますます西欧化している印象を持ちます。ウクライナが歴史と伝統を守りながら、新しい時代に移りつつあるのが感じられます。

赴任後すでに多くのウクライナの方々にお目にかかり、皆様が日本について高い関心を持っていらっしゃることに嬉しい思いをしています。例えば、日中韓の文化に関する国際会議(10月13日、タラス・チェフチェンコ国立キエフ大学)のホールは学生さんでいっぱいになり、私の話に熱心に耳を傾けてくれました。茶道のデモンストレーション(10月29日、ウクライナ・パレス)も4回に分けて行いましたが、その都度参加者で満員になり、また、キエフ工科大学のご協力で、図書館内に日本語ランゲージセンターも開設できました(10月21日)。これらの取り組みでお会いした方々が大変誠実であることにも感激しています。

 ウクライナ政府と国民の皆様には、2011年3月に我が国の東日本で発生した大地震と大津波による大災害及び福島原子力発電所事故に対して、お見舞いや励ましの言葉、また人的・物的支援をいただきましたことに対し、改めて厚く感謝申し上げます。また、去る1月にヤヌーコヴィチ大統領が訪日され、菅総理(当時)との間でグローバル・パートナーシップに関する共同声明がまとめられました。これを機に、大きな成長が期待されるウクライナと我が国とが共に努力し、政治、経済、科学技術、環境、文化等様々な分野において、政府レベル及び国民レベルの双方において、両国関係の一層の発展が実現できるものと確信しています。私も最善を尽す所存ですので、皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。

ウクライナ駐箚日本国特命全権大使
坂田 東一
(2011年11月)
 
 
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