- ~ロシア料理だと思っていませんか?ウクライナが本家です!~
多くの人にはロシア料理と知られている「ボルシチ(細かく刻んだ野菜を煮込んだスープ)」は,実はウクライナが本家本元。その他にも,カツレツ,サーロ(豚の脂身の塩漬)などがウクライナ・オリジナルだと言われています。また,ロシアと同じ名前の料理でも,ひと味違ったものがあります。
- ウクライナ風ボルシチとモスクワ風ボルシチの違いは?
ウクライナのボルシチは,具としての野菜(キャベツ,にんじん,タマネギ等)が細かく切り刻んであり,香辛料をたっぷり使い,最後にニンニクを入れます。また,ビート(砂糖大根)を多めに使い,赤色がより鮮やかに仕上がりになっています。また,ウクライナ・ボルシチに欠かせないのが,パンプーシュカと呼ばれる,ふかふかのパンにニンニクを刻んだオイルをかけたものです。パンプーシュカはロシアでは見あたりません。
モスクワ風ボルシチは,ハムやソーセージが具に加わり,ウクライナ風とはまた違ったおいしさがあります。
ウクライナでは「ワレニキ」と呼ばれる,水餃子に似た食べ物があります。ロシア料理でも「ペリメニ」という水餃子がありますが,ワレニキの面白いところは,中に入れる具として,肉以外にジャガイモ,キャベツ,チーズ,ジャム等を入れ,オードブルからデザートにまで登場するところです。特に,サクランボ入りのワレニキにサワークリームをたっぷりかけたデザート・ワレニキは,日本人の間でも大変人気があります。
鶏のササミにバターの塊を包んで油で揚げたカツ。ナイフを入れた瞬間,溶けたバターがジワーとにじみ出てきます。飛び出るバターで服を汚さないように。
キノコのグラタン。非常に小さい容器に入っていて,オードブルとして食べます。
ウクライナ,と聞くと,みんなウォッカ(ウクライナ語だとホリルカ)ばかり飲んでいるのだろうと思う方も多いと思います。もちろん,ウクライナ人はウォッカをよく飲みますし,その量も半端ではありませんが,最近はビールを飲む人が特に若者の間で増えてきています。昔は「馬の小便」と言われたソ連ビールですが,現在,ウクライナのビール企業はオランダ等の技術を取り入れて,大変おいしいビールを生産するようになったと評判です。
また,ウクライナ南部ではワインも生産されており,最近では品質の高いものも市場に出てきています。