我が国によるウクライナ独立承認25周年に際した角大使のメッセージ

平成28年12月28日
  本日12月28日は,我が国が,25年前,ウクライナの独立を認め,国家承認を行った日です。わたしは,この25年間,日本とウクライナの関係が発展してきていることを,心より嬉しく思います。特に,マイダン以降の過去3年間,日本とウクライナの関係は急速に発展しました。
  2015年の安倍総理の日本の首相としての初めてのウクライナ訪問,2016年のポロシェンコ大統領の訪日をはじめ,要人往来が活発化しています。また,日本は,ロシアによるクリミア違法「併合」・ドンバス情勢に対して,力による現状変更を認めないとの原則から,アジアで唯一対露制裁の措置を取っています。先般の国連におけるクリミア人権状況決議についても,共同提案国として支持を表明しました。また,我が国は,クリミア・ドンバス問題解決に向け,国際機関を通じた国内避難民(IDP)支援や東部復興支援にも力を入れています。日本は,OSCE非加盟国ですが,OSCEへの資金援助を行うと共に,特別監視団(SMM)にも要員を派遣しています。ウクライナの国内改革支援も我が国の優先課題分野であり,財政,保健・医療,汚職との闘い,民主主義の安定等のために支援を行っています。
  2016年,日本は,G7の議長国でした。ウクライナではG7大使「ウクライナ・サポート・グループ」が昨年創設され,本年わたしは同グループの議長を担い,G7大使の意見を取りまとめ,大統領をはじめとする要人や市民社会代表者と会合を開き,ウクライナの改革を支援するために複数のG7大使声明を発出してきました。我が国は,来年以降も,G7の一員として,ウクライナの改革支援を続けていく所存です。
  また,両国の文化交流を通じて,国民間の相互理解の発展にも力を入れています。とりわけ,2017年は,「ウクライナにおける日本年」が実施されます。ウクライナ全土で多くの行事を予定していますので,皆様により日本を身近に感じ,我が国の文化を楽しんで頂けることを期待しています。