「ウクライナにおける日本年」の終了に際する角大使の挨拶

平成29年12月31日
  2017年を通じて開催された「ウクライナにおける日本年」は、12月31日で終了します。この「日本年」は、大統領令で定められたものであり、我が国としてもポロシェンコ大統領の日本に対する特別な配慮に感謝しています。ポロシェンコ大統領の思いにこたえるために、日本政府、在ウクライナ日本国大使館、関係者は、ウクライナ側と協力して、様々な行事を実現してきました。
  特に、ウクライナ全土の約30の都市にて、約1,600本の桜を植樹したことは印象深い出来事です。多くの都市で「日本の日」が定められ、関連行事が行われたこともうれしく思っており、特に、紛争の影響を受けているルハンスク州シェヴェロドネツク市においても「日本の日」が定められたことは印象に残っています。
  文化面では、林英哲さんの和太鼓、人形浄瑠璃、フジコヘミングさんのピアノ演奏等の公演、茶道のデモンストレーション等が行われました。また、日本伝統文化だけでなく、マンガ家やイラストレーターによる現代文化も紹介することができました。特に、11月から1か月間、アートアーセナルにおいて大規模展覧会「イマジナリー・トラベラー」が開催され、日本の伝統文化や現代アート等を紹介した事は、大きな評判となりました。この展覧会の開会式は、ポロシェンコ大統領夫妻の出席も得て盛大に行われました。また、スポーツの分野においても、日本の柔道家によるデモンストレーションが実施されました。12月22日には、「日本年」のクロージング・イベントとして、ソフィア広場において、3Dマッピングが実施され、多くの反響を呼びました。
  「ウクライナにおける日本年」は、文化面にとどまらず、経団連ミッションのウクライナ訪問、外交の専門家による各種講演、パルビー最高会議議長の訪日等が実現されました。また、「日本年」を契機として、ウクライナにおけるJICA事務所の開設や2018年1月1日からのウクライナ国民に対する我が国の査証緩和措置の発表ができたことも特筆できます。
  また、ウクライナ政府、ウクライナの企業や市民からも、様々な日本文化の展覧会の開催や、映画や本、テレビ番組の製作等を通じて、積極的に「ウクライナにおける日本年」に参加してもらえたことも大変うれしく思います。
  「ウクライナにおける日本年」は、12月31日で終わりますが、今年実現したことを基にして、来年以降も日本・ウクライナ関係がますます発展していくことを期待しています。「日本年」を定めたポロシェンコ大統領に対して改めて深甚なる感謝を述べたいと思います。また、ウクライナ国民の皆様と素晴らしい一年が過ごせたことを大変幸せに思っております。
  最後に、皆様が素敵な新年をお迎えすることを願っています。