原田公使参事官のドネツク州・ルハンスク州訪問

平成30年5月15日
  5月15日及び16日,当館原田美智雄公使参事官はドネツク州・ルハンスク州を訪問し,日本人抑留者記念碑への献花(於:ドネツク州ドゥルジギウカ市),桜の植樹式(於;ルハンスク州ルビジュネ市)に出席するとともに,我が国がUNICEF(国際連合児童基金),UNDP(国連開発計画)を通じて実施している東部復興支援のサイトを視察しました。それぞれの概要は以下のとおりです。
 
1 日本人抑留者墓地への献花
 

ドゥルジギウカ市長から説明を受ける原田公使参事官
 

献花の様子
 
  グナテンコ・ドゥルジギウカ市長からは,同地には日本人に加え,ドイツ人やルーマニア人の抑留者もいたが,この墓地には約110名が眠っている。特に日本人抑留者の勤勉さには地元住民も感銘を受けたという逸話が紹介されました。原田公使参事官は,献花を行うとともに,我々日本は戦後,戦争を放棄し,国際社会の支援を受けて復興を遂げた,こうした経験を経て現在はウクライナをはじめ多くの国への支援等を行っている旨述べました。
 

2 ルビジュネ市における桜の植樹式
 

挨拶を行う原田公使参事官
 

柔道や合気道を習う子供達によるデモンストレーション
 

桜の植樹の様子
 
記念撮影
 
  ルビジュネ市での桜の植樹式には,ホールティブ・ルビジュネ市長,リシューク・ルハンスク州行政府副長官,UNICEF及びUNDP関係者,さらには柔道や合気道を習う大勢の子供達を含め約300人の市民が参加する中で盛大な式典となりました。ホールティブ・ルビジュネ市長からは,日本からはルビジュネ市民病院及び障害児社会施設の改修で支援いただいており感謝申し上げる,今回植える桜が日本とウクライナの友好の象徴になることを期待する旨の挨拶がありました。原田公使参事官からは,今回の桜はウクライナで活動する日本企業からの寄付金によって実現できたものであり,毎年桜を見るたびにぜひそのことを思い出してほしい,日本には花見という文化があるが,またこの地を訪れて皆さんと美しい桜を楽しみたい旨述べました。
 

3 ヴルビウカ地区学校の視察
 

歓迎の様子


体育の授業


支援した体操器材(一部)


地雷危険性に関するワークショップ


桜の植樹
 

生徒たちへの折り紙や絵葉書の配布
 
  ルハンスク州にあるヴルビウカ地区学校はコンタクト・ラインからも近く,砲撃などの被害を受けてきました。日本国政府は,UNICEFを通じ,子供達の教育環境の改善や精神面でのケアに焦点をあて,体育で使用する機材の供与,地雷の危険性やストレス緩和に関するワークショップのための教材や机・椅子の供与等を行ってきました。今回の視察では,ヴィシヴァンカを着た生徒たちからの歓迎を受けるとともに,生徒たちと一緒に桜の植樹を行い,関係者からは感謝の言葉が述べられました。
 

4 児童教育のための社会センターの開所式
 

センター外観(改修前)


センター外観(改修後)


市民や州行政府副長官,センター長他関係者との写真
 

着物やヴィシヴァンカを着た子供達によるパフォーマンス
 

テープカットの様子


視察の様子(州行政府副長官(左),センター長(中央))
 

桜の植樹の様子
(原田公使参事官(左),州行政府副長官(右)と子供たち)
 
  ルハンスク州スヴァトーヴェ市に所在する同センターは2014年から続く東部での紛争により,建物に大きな損傷を負っていました。日本国政府はUNDPを通じ,建物の改修工事(窓やドアの交換,屋根や壁の補修など)を実施しました。なお,センターの建設等の一部の費用は,市の負担によるものです。今次開所式には,リシューク・ルハンスク州行政府副長官,リバルコ・スヴァトーヴェ市長をはじめ,多くの子供達が集まる中での式となりました。