離任挨拶
平成30年12月3日
この度,4年2ヶ月のウクライナでの勤務を終え,帰国することとなりました。この間,さまざまな人から多くの支援を頂いたことに心から感謝申し上げます。
2014年10月に赴任しました当時は,尊厳の革命によりヤヌコーヴィチ政権が崩壊し,ポロシェンコ大統領が選挙によって選ばれるとともに,ロシアによるクリミアの違法な「併合」,またドンバス地域における戦闘が起こるという事態がありました。東京からは,現地の情報をよく把握するとともに,日本が表明した多額の支援が効果的に使われることを確保するようにとの訓令を頂き,赴任いたしました。
幸い2015年6月には,安倍総理が日本国の総理として初めてウクライナを訪問し,2016年4月にはポロシェンコ大統領が日本を公式訪問するという機会に恵まれました。これらの機会を通して,ポロシェンコ大統領をはじめとするウクライナ国民に日本が行っている多額の支援内容を説明し,またクリミア及びドンバスに関し日本が対ロシア措置を課していることを説明できたことから,私のウクライナ上層部へのアクセスは極めて容易なものとなりました。さらに,2015年にはメルケル・ドイツ首相のイニシアティヴにより,キエフにおいてウクライナ改革努力を支援するためのG7大使「ウクライナ・サポート・グループ」が結成され,2016年には私が議長を務めることができました。このサポートグループが出来たことにより,日本はウクライナの改革問題に関し外から支援するだけでなく,ウクライナ政府とともに改革を成し遂げるというプレイヤーとなったのです。
2017年にはポロシェンコ大統領が大統領令を発し,同年を「ウクライナにおける日本年」と名付け,さまざまな行事が行われたことは極めて嬉しく思いました。この行事に際しては,ウクライナに関係している多くの日本企業の皆様からも多大なるご支援を頂いたことに感謝いたします。2017年の1年間で1800本以上の桜をウクライナ全土に植えたことは,今後日・ウクライナ両国民にとって長く記憶される事業であったと思います。
こうしたこともあって,ポロシェンコ大統領夫妻がウクライナ大統領として初めて日本大使の公邸で夕食を食された他,日本年における茶会や日本に関する展覧会にも大統領夫妻が出席されるという栄誉に浴しました。先般は,大統領夫妻が私と家内のために,わざわざマリンスキー宮殿において送別の昼食会を開いてくださいました。
大統領がこのように私どもを信頼してくださった背景には,もちろん,日本がウクライナ問題に関し原則的な立場に基づいた毅然とした方針を持ち,また,ウクライナに対し,きめの細かい援助をおこなったことによると考えます。ウクライナ側も日本の支援に応え,日本が希望する国際場裏における選挙においては全て支援してくれましたし,日本企業の方々が抱える問題についても優先的に解決できるよう努力をしてくれたことは,誠に嬉しいことです。大統領が私どもに好意を示してくださった結果,ヤツェニューク前首相及びフロイスマン首相をはじめとした多くの閣僚が私の公邸を訪れ,昼食または夕食をともにしつつ忌憚のない意見交換ができたことは,今後の日本の対ウクライナ外交の資産になると自負しております。ウクライナは明年,大統領選挙そして最高会議選挙と大きな節目を迎えます。私としては,この日・ウクライナ間の良好な関係が引き続き発展するとともに,日本がウクライナ問題の解決のために役割を果たしていくことを希望しております。
最後に,私を支えてくださった大使館の多くの館員をはじめ,当地日本商工会の皆様に感謝を申し上げたいと思います。スラバ・ウクライニ(ウクライナに栄光あれ)。
2014年10月に赴任しました当時は,尊厳の革命によりヤヌコーヴィチ政権が崩壊し,ポロシェンコ大統領が選挙によって選ばれるとともに,ロシアによるクリミアの違法な「併合」,またドンバス地域における戦闘が起こるという事態がありました。東京からは,現地の情報をよく把握するとともに,日本が表明した多額の支援が効果的に使われることを確保するようにとの訓令を頂き,赴任いたしました。
幸い2015年6月には,安倍総理が日本国の総理として初めてウクライナを訪問し,2016年4月にはポロシェンコ大統領が日本を公式訪問するという機会に恵まれました。これらの機会を通して,ポロシェンコ大統領をはじめとするウクライナ国民に日本が行っている多額の支援内容を説明し,またクリミア及びドンバスに関し日本が対ロシア措置を課していることを説明できたことから,私のウクライナ上層部へのアクセスは極めて容易なものとなりました。さらに,2015年にはメルケル・ドイツ首相のイニシアティヴにより,キエフにおいてウクライナ改革努力を支援するためのG7大使「ウクライナ・サポート・グループ」が結成され,2016年には私が議長を務めることができました。このサポートグループが出来たことにより,日本はウクライナの改革問題に関し外から支援するだけでなく,ウクライナ政府とともに改革を成し遂げるというプレイヤーとなったのです。
2017年にはポロシェンコ大統領が大統領令を発し,同年を「ウクライナにおける日本年」と名付け,さまざまな行事が行われたことは極めて嬉しく思いました。この行事に際しては,ウクライナに関係している多くの日本企業の皆様からも多大なるご支援を頂いたことに感謝いたします。2017年の1年間で1800本以上の桜をウクライナ全土に植えたことは,今後日・ウクライナ両国民にとって長く記憶される事業であったと思います。
こうしたこともあって,ポロシェンコ大統領夫妻がウクライナ大統領として初めて日本大使の公邸で夕食を食された他,日本年における茶会や日本に関する展覧会にも大統領夫妻が出席されるという栄誉に浴しました。先般は,大統領夫妻が私と家内のために,わざわざマリンスキー宮殿において送別の昼食会を開いてくださいました。
大統領がこのように私どもを信頼してくださった背景には,もちろん,日本がウクライナ問題に関し原則的な立場に基づいた毅然とした方針を持ち,また,ウクライナに対し,きめの細かい援助をおこなったことによると考えます。ウクライナ側も日本の支援に応え,日本が希望する国際場裏における選挙においては全て支援してくれましたし,日本企業の方々が抱える問題についても優先的に解決できるよう努力をしてくれたことは,誠に嬉しいことです。大統領が私どもに好意を示してくださった結果,ヤツェニューク前首相及びフロイスマン首相をはじめとした多くの閣僚が私の公邸を訪れ,昼食または夕食をともにしつつ忌憚のない意見交換ができたことは,今後の日本の対ウクライナ外交の資産になると自負しております。ウクライナは明年,大統領選挙そして最高会議選挙と大きな節目を迎えます。私としては,この日・ウクライナ間の良好な関係が引き続き発展するとともに,日本がウクライナ問題の解決のために役割を果たしていくことを希望しております。
最後に,私を支えてくださった大使館の多くの館員をはじめ,当地日本商工会の皆様に感謝を申し上げたいと思います。スラバ・ウクライニ(ウクライナに栄光あれ)。