倉井大使のドネツク州・ルハンスク州訪問

平成31年4月10日
4月10~11日,倉井大使は,ドネツク州及びルハンスク州を訪問しました。
 
1.ドンバス水道公社に対する機材供与(ドネツク州ポクロウスク)
 4月10日,倉井大使は,シルワンダーUNICEF駐ウクライナ事務所長及びブリャコフスキ-UNOPS駐ウクライナ事務所長と共に,我が国の支援によるドンバス水道公社に対する機材供与式に出席しました。
 紛争が続くウクライナ東部において,ドンバス水道公社はドネツク州全体の水供給に極めて重要な役割を果たしています。特に政府管理地域と被占領地域を隔てるコンタクト・ラインにおいては,水道施設がしばしば銃撃による損傷を受けており,同社職員は命の危険にさらされています。そのため我が国は,水道施設の補修に携わる同社職員の作業の安全と効率性を確保し,住民の生命にとって極めて重要な水の安定的供給を実現するため,水供給施設改修のための作業用車両2台及び個人用防弾装備を供与しました。
 式典にはドネツク州からクツ行政府長官が,ドンバス水道公社からはエフドキモフ同社代表らが出席し,我が国の支援に対する謝意が表明されました。
   
                               式典の様子(©UNOPS)                                         供与された車両及び機材(©UNOPS)

2.UNDPプロジェクト・サイトの訪問(ルハンスク州)
 4月11日,倉井大使は,ルハンスク州クレミンナ市において,我が国がウクライナ東部復興支援の一環でUNDPを通じて支援した中小企業を訪問しました。同社は穀物の選別機械を生産しており,欧米諸国を含む約50カ国に輸出を行うなど,大きな成功を収めています。
またシェヴェロドネツク郊外において,同じく我が国がUNDPを通じて修復した橋を視察しました。
   
                 クレミンナにおける企業訪問(©UNDP)                                     我が国の支援により修復した橋

3.UNHCRプロジェクト・サイトの訪問(ドネツク州)
 4月11日,倉井大使は,ドネツク州クルジュミウカ村を訪問しました。同村はコンタクト・ラインの至近に位置し,2014年の紛争開始以来これまでに何度も砲撃を受け,11名の住民が命を失うと共に,多くの家屋が損傷を受けました。我が国はUNHCRを通じ,これらの家屋の修復や必要物資の供与を行っています。
   
                     住民の歓迎を受ける倉井大使(©UNHCR)                              住民のお宅を訪問(©UNHCR)
 

住民のお宅を訪問(©UNHCR)

4.ドネツク州及びルハンスク州行政府長官との会談
 今回の訪問に際し、倉井大使は,クラマトルスクにおいてクツ・ドネツク州行政府長官と,シェヴェロドネツクにおいてフィル・ルハンスク州行政府長官代行と,それぞれ会談しました。会談では,ドネツク州・ルハンスク州に対するこれまでの日本の支援に対する謝意が表明されると共に,両州の現状や課題,今後の見通しについて意見交換がなされました。