大使よりご挨拶

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角大使

 この度、10月22日にウクライナ駐箚日本国特命全権大使として着任いたしました。
 ウクライナはすでに冬の足音が濃くなっていますが、これまでに聞いたとおり、黄金色に輝くドームを冠した教会をはじめとした、壮麗な街並みが私を迎えてくれました。
 現在、ウクライナは建国以来、最大の危機に直面していますが、私の最大の使命は、日本政府を代表し、日本として、ウクライナが欧州における豊かで強固な国となることを助けることにあると考えています。それに際して、日本のウクライナ支援は次のような原則に基づいています。
   まず第一に、ロシアによるクリミア併合はあらゆる国際法違反であり認められず、同国がウクライナ東部で行っている武力干渉はすぐに停止すべきであるということです。
 第二に、日本は、ウクライナが豊かで強固な国となるために経済支援を行うことです。日本は1.5億ドルの支援を既にプレッジしたほか、この度、東部再建支援のために新たな支援も行っています。
 また、日本はこのために、ロシアに対して制裁を課しておりますが、これは制裁のために制裁を行うのではなく、同国がウクライナに対する干渉を停止するため行っています。したがって、ウクライナ情勢を安定させるためにもロシアとの対話は必要だと感じていることです。
 日本のみなさんに理解していただきたいことは、ウクライナ東部の限られた地域とクリミアを除けば、ウクライナの治安は総じて安定しているということです。ウクライナは工業農業とも豊かであり、経済的にも将来性があります。日本大使館は、日本の企業がウクライナにおいてビジネスを行うことを可能な限り支援したいと考えていますし、日本からの多額の支援は、そのための呼び水であります。
 また、ウクライナは独立後の年月は短いものの、キエフは1000年以上の歴史を持ち、多くの歴史的建造物に恵まれた美しい街です。キエフの他にも、オデッサ、リヴィウのような豊かな観光資源があるので、ウクライナの渡航情報に注意しつつも、多くの人々に見ていただきたいと思います。
 いずれにせよ、ウクライナは国際社会にとって極めて重要な国ですので、この時期に日本国大使として赴任したことに大きなチャレンジと大きな責務を感じております。皆様の支援をお願いしたいと考えております。

2014年10月
ウクライナ駐箚日本国特命全権大使
角 茂樹

 
 
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