ウクライナ国民の多くは文化・芸術への関心が高く,キエフ市の国立オペラ劇場をはじめ,主要な都市には劇場,交響楽団,音楽・芸術クラブ等が存在する。また,民族音楽,宗教音楽の伝統を有し,一般の人達の間でも広く親しまれている。ウクライナにゆかりのある芸術家は以下の通り。
作家,劇作家。ウクライナ中部の小村ソロチンツィ生まれ。1830年ウクライナの農村を舞台にした短編「イワン・クパーラの前夜」を含む小説集により一躍文名をあげる。「検察官」,「隊長ブーリバ」,「死せる魂」,「外套」などの作品がある。
キエフ生まれのウクライナの国民的詩人,画家。1840年に詩集「吟遊詩人」を発表,ウクライナの国民的詩人としての地位を確立した。反帝政,反専制の態度を崩さず,抑圧されたウクライナ人の悲しみを詠い続けた。(100フリヴニャ紙幣に肖像が印刷されている。)
ロシアの作家,劇作家。1899年から病気療養のためにクリミアに移り住んだ(-1904)。その間に彼の代表作である「三人姉妹」,「桜の園」を書いた。現在でもヤルタにチェーホフ博物館がある。
ロシアの作曲家。彼の代表作である組曲「展覧会の絵」の中の一曲である「キエフの大門」は,キエフ市内の中心部にある。
ウクライナ生まれのロシアの作曲家。1891年エカテリノスラフ(現ドニプロペトロフスク)近郊のソンツォフカ生まれ。バレエ音楽「ロメオとジュリエット」,交響詩「ピーターと狼」等が有名。
20世紀を代表するピアニスト。キエフ市生まれ。1940年に米に移住。キエフでは,独立後の1995年より,彼に因み2年毎に「ホロビッツ記念国際ピアノコンクール」が開催されている。
その他,作家ではイリヤ・エレンブルグ(1891-1967),ミハイル・ブルガーコフ(1891-1940),イサーク・バーベリ(1894-1941)が,音楽家ではエミール・ギレリス(1916-1985),ダビッド・オイストラフ(1908-1974),スヴャトスラフ・リヒテル(1915-1997),アイザック・スターン(1920-2001),画家ではイリヤ・レーピン(1844-1930)が,舞踏家ではワツラフ・ニジンスキー(1890-1950)がウクライナ生まれである。